浮かれやすい男にはハイカットブーツがいい

1980年代のはじめだったかな。
アメリカのアウトドア雑誌をぱらぱらと眺めていたら、「このトレイルはラグソールに踏みつぶされ、すり減り、溝になってしまいました」という記事を見つけた。
「そんなにハードじゃないバックパッキング旅なら、重い登山靴(ブーツ) じゃなく軽いトレッキングシューズを履いていこうよ」という意味のことが書いてあったのだ。
ロー・インパクトが、アメリカやヨーロッパで大いに語られていたころのことだ。それは、ウルトラライトへの流れでもあったのだけど、当時はそんなことに気がつくわけもなく、ただただロー・インパクトへの考え方に共感したのだった。
で、流されやすい僕は、すぐにアウトドアショップへ走り、ローカットのトレッキングシューズを買ってきた。「ヒマラヤへ行かないなら、これからはこれだな」と、それを履いて日本のウラヤマへ出かけ、悦に入っていたのだ。「おれも、口ー・インパクトを実践する立派な男になったな」などとつぶやきながら。
ローカットはハイカットに比べ足首を捻挫しやすい
そもそも、足への加重は、背中の荷の重さに換算すると5倍分に相当する、といわれている。より遠くまで歩くためにも、靴は軽いにこしたことはないのだ。
そういえば、そのとき買ったシューズはナイキのものだった。
いまやファッションブランドのようなナイキだが、もともとはスポーツシューズのメーカーで、当時、トレッキング用のライトなシューズをいち早く作りだしたのだ。思想と機能が評価された逸品だった。
いずれにせよ、新しい靴とロー・インパクトを手に入れた(と思いこんでいる) 僕は、浮かれて山でもスキップをしてしまうのである。
で、ついつい足首をひねってしまう。ローカットの靴は、ハイカットに比べ、圧倒的に捻挫しやすい。荷物が重たいとなおさらだ。
そうした紆余曲折(?) があり、数年後にはまた、履き慣れたハイカットのブーツに戻ってしまった。
「このトレイルはラグソールに…」てな言葉は、引き出しの奥深くにしまい込んで…。
当時からずっと履いてるオールレザーのブーツは、昔なじみの屋台の親父みたいで、皺だらけのまんじゅうのような顔で笑いかけてくる。無視できるわけがない。ますます手放せ (足放せ?)なくなってくるのだ。
そういえば、アメリカのバックパッカーから聞いたけど、「賢いハイカーはけっして跳ばない」という格言があるらしい。
が、いくつになっても賢者の智恵に学ぶことを知らない僕は、大きな
景色に出会ったりすると思わず跳びはねてしまうし、「山から下りたら、すぐさまビールと餃子だ」と下山寸前には小走りとなる。
で、またまた足首が「ぐきっ!」となるのだ。
やっぱりぼくには、ハイカットのブーツがいいのかもしれない。

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